新たな都市再生中心市街地活性化の展開
フランス・都市の賑わいと魅力づくり

〜フランスの都市行政と活性化事例を通して〜

 

目 次

 はじめに

 I フランスと日本、フランスの都市行政の特徴
 
 II フランスの国土と地方・都市行政
 1.地方分権の進展と国の役割、都市圏等
 2.フランスの都市計画概観

 III フランスの都市行政思想、手法と活性化策等
 1.土地政策
 2.フランスの住民参加の枠組み
 3.都市整備事業ZAC
 4.フランスの都市計画・地方行政の新しい局面

 IV フランスの都市行政活性化に向けての基本的施策
 1.住宅施策と都心居住
 2.都市交通施策
 3.都市商業活動の調整・商業都市計画
 4.都市再生政策

 V 活性化のための諸施策
 1.公共空間整備政策                        
…リヨン
 2.高級リゾートの農村集落景観
                    …ムジューブ
 3.「フランスでもっとも美しい村」を目指した観光地づくり
…ボンヌ・ヴァル
 4.歴史的環境保全
                   …リヨン・クロワールネッサンス
 5.ゾーン30
                                       …ナント
 6.オープンカフェとマルシェ
                           …パリ等
 7.車のない日、カーフリーデー
                       …EU諸国
 8.車社会からトラムへ
                         …ストラスブール
 9.土地利用と連動する公共交通サービス
             …ディジョン
10・都市の公共空間利用の再配分、道路空間の車優先の見直し
…パリ
11.トラムと都市更新事業
                          …オルレアン
12.団地再生 再び原型を作る                   
…ロリアン

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はじめに

 
 街なか再生全国支援センターでは、わが国の街なか再生を推進する一環として、海外事例の背景、思想、手法等を学ぶことが必要と考え、継続的に海外の取り組み状況を広く紹介することにしております。

 第一弾として"新たな都市再生・中心市街地活性化の展開"と銘打ちまして"米国ナショナルメインストリートプログラム"に焦点を当て、その研究成果を3ヵ年に亘り紹介してまいりました。

 今回は、その第二弾としてヨーロッパ随一の中央集権国家であるフランスにおける都市行政を研究することとしました。フランスを題材にした理由は、これまでの海外事例研究がアメリカにおける民主導の"草の根的な活動"に特化した研究傾向にあったことから、一方向からの活性化方策に傾倒せず視点を変えて、その対極を成す官主導的な都市行政下において徹底した情報公開・住民参加を敢行してきているフランスのまちづくりについても学ぶべき点があるはずと考えたからです。報告書の本文中でその点を詳細に述べておりますが、特筆すべきは「ユルバニズム」のもと、以下の4点を実行していることです。

  @ 完全なる地方分権政策への移行
  A 居住環境の充実による郊外から都心への回帰
  B 車優先社会の修正(人・自転車・トラム等を中心とした都市整備)
  C 都市計画の「公益性」の概念の明確化と徹底(先買権、コンセルタシオン)

 本研究は、フランスにおける活性化の事例として、(1)リヨンにおける公共空間政策や歴史的環境保全、(2)オープンカフェとマルシェ(市場)、(3)ストラスブールのトラム(現代路面電車)による街づくり等の紹介を中心に、国の法制度や施策、地方自治体の役割、住民参加のプロセスなど、諸々の情報に解説を付加する型で集約・整理して、わが国の中心市街地活性化対策に活用できるフランス版都市政策専門書として取りまとめております。

 本書が、街なか再生に取り組まれている行政関係者をはじめ多様な方々の良き参考図書となることを願って止みません。さらに今後は、先進諸外国へ赴くなどして、現地でまちづくりに奮闘されている方々の声を盛り込み、より実態的な調査研究を行いつつ、わが国のまちの活性化に役立つ成果を提供していきたいと考えております。
                      

平成15年6月

財団法人 区画整理促進機構   理事長 和 田 祐 之

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