機構だより 2008.4.20 No.197

 

専務理事 平岡 孝夫

 平成20年度の新しい事業年度がスタートしました。本年度も引き続き(財)区画整理促進機構をよろしくお願いいたします。

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 本格的な人口減少社会の到来を迎え、都市計画、市街地整備を取り巻く状況が大きく変わりつつあります。昨年7月に、国の社会資本整備審議会の答申がなされ、拡散型の都市構造を見直し、集約型都市構造を実現する視点の重要性が強く指摘されました。そして集約型都市構造を実現するため、拠点的市街地の整備など市街地整備における取組みのあり方が提言されています。
 この答申の中で「柔らかい区画整理」という考え方が示されました。今後、既成市街地において市街地整備手法を幅広く活用していくためには、既成概念にとらわれない多様で柔軟な運用が求められることからの提案です。
 もともと区画整理はきわめて柔軟な手法であり、それぞれの現場においてさまざまな工夫が積み重ねられてきたものです。
 当機構では昨年度来、柔らかい区画整理について事例の収集を含めた自主研究を進めてまいりました。その成果をもとに、本年2月に「柔らかい区画整理講習会」を開催し、たくさんの方々の参加をいただきました。これからも一層の研究を深め、「柔らかい区画整理」の普及・発展に取り組んでまいります。

 また当機構では、専門家派遣制度、事業化支援制度、業務代行者紹介制度などにより全国の区画整理事業を支援するとともに、「街なか再生全国支援センター」を設けて中心市街地活性化の支援にも積極的に取り組んでいます。さらに、多様な分野の民間事業者の方々と区画整理手法による市街地整備に関する自主研究を進めています。
 今年度もこれらの活動を通じて、市街地整備のさまざまな場面で区画整理手法が活用されまちづくりが促進されるよう取り組んでまいります。

 本年12月には公益法人改革の新制度が施行されます。新しい枠組みの中においても、当機構が期待されている役割を果たせるように取り組んでまいります。皆さんのまちづくりに当機構を引き続き活用していただくことをお願い申し上げます。

貝塚市東山丘陵土地区画整理事業 「東山まちびらき」の報告

 (財)区画整理促進機構の「業務代行者紹介制度」を利用した南部大阪都市計画事業 東山丘陵特定区画整理事業で、本年秋の換地処分に先立ち、まちびらきが行われました。
 この事業は関西国際空港開港を背景として、葛城山から泉州二色の浜につながる優れた自然環境を持つ丘陵地帯で都市基盤整備を行う目的で平成9年に事業認可を受けたものです。
 当初紹介された4社J.V.は、設定された保留地の急激な価格の下落により事業採算が成立しなくなり、組合との協議が最終的に纏まらず仕切りなおしとなりました。
 平成12年5月、促進機構より、業務部長(当時)と登録専門家 石井が調査に入り、事業再構築のための検討を行い、総事業費の圧縮・減歩率のアップ・補助費の見直し等を提案し、貝塚市、大阪府、国土交通省と協議を重ね再生を図りました。平成13年3月には新業務代行者も決まり、諸問題を洗い出し、平成14年3月の仮換地指定を経て、ハイスピードで事業が動き出しました。さらに、補助工事の組合委託による特命方式や工事物納方式等など、20%の事業費圧縮の為にあらゆる方策を講じました。
 平成16年11月には第一期の保留地販売が開始いたしました。(財)住宅生産振興財団と提携をし、組合の直販部隊との連携で販売も進み、平成18年には居住者による自治会もでき、街並みが整い、平成20年3月のまちびらきと成りました。
 地区中央のまちのシンボルとなる森の大池周辺には、近隣センターと近隣公園東山中央公園を配置し地区のコアゾーンとしています。また、既存の第三中学校や市民プール近隣には、新たに小学校や幼稚園を配置し教育施設の集積を図りました。地区の北側には、自然型近隣公園東山ふれあい公園や多目的広場、緑地集合農地を配置し緑化の保全に努めております。
 工事期間中も大阪外郭環状線に沿った、1kmの仮囲いには市内の小中学生の大きな絵のコンクールが盛況に続き、学校間の競争も起き、家族や市民の見物が多く、人づて、口コミで、保留地の販売も組合直販が65%に及んでおります。

事業名称:南部大阪都市計画事業東山丘陵特定区画整理事業
事業施工者:貝塚市東山丘陵区画整理組合
業務代行者:前田建設工業株式会社関西支店
施行面積:75.69ha 
組合員数:285名
事業施行期間:平成9年1月16日〜平成21年3月31日

報告 財団法人 区画整理促進機構 登録専門家 
(株)ウエルストン 代表取締役 石 井  謙

  
東山丘陵中央線から見た風景
 
1kmの仮囲いを利用した青空展覧会

「事業見直しのポイント」について

埼玉県 桶川市 都市計画課 課長 町田 次男

 埼玉県 桶川市 下日出谷東地区の「施行地区縮小の事業見直し」は、10年前であったなら実現化は困難であったと想定されます。この10年、土地価格の下落基調は言うに及ばず、公共投資の削減、人口減少化による住宅宅地需要の減衰など、事業を取巻く環境はより厳しくなっております。
 このような状況において、土地区画整理法やその制度を遵守しながら、その枠内で地区の実情に合わせた柔軟的かつ弾力的な事業見直しの一例として、「柔らかい区画整理講習会」で発表させていただきました。
 そこで、当地区の事業見直しのポイントを整理すると、以下の3点が挙げられます。

【人材の育成とチームワーク】

●土地区画整理事業の業務は多岐にわたり、施行者は担当性、コンサルタントは部門制で、事業見直しを含めた事業全般に精通した総合職(ゼネラリスト)が不足し、その人材育成が課題になっています。
●これら総合職の人材がいない場合は、少数の専門職(スペシャリスト)によるプロジェクト・チームを組織し、多角的かつ広範な視点から事業見直しを進めていくことが必要です。

【事業計画の検証・点検】

●いずれの地区も事業計画を作成し、この計画に沿って事業が進められていますが、年度別資金計画の重要性を認識し、その確実性と評価を視点に検証・点検を行う必要があります。
●また、施行期間内での事業収束の確実性、年度別工事に即して着実に保留地処分できる根拠性、年度別補助金の担保性などについて、現状と実態が合致しているかどうか検証・点検する必要があります。乖離している場合は、必ず何らかの負担が生じます。
●特に、年度別資金計画については、それを担保にするための年度別の事業展開計画(プログラム)が必要視されます。これらは、地権者への説明や補助金要望などの資料にも有益です。

【見直しの合意形成】

●事業見直しの必要性は理解していても、施行者責任の追及や合意形成の困難性から、その第一歩を踏み出せない状況が見受けられます。
●このため、先ずは現在の事業計画を検証・点検し、問題点や課題を整理し、その対応方策を代替案も含め整理し、比較検討した上で地権者へ説明することが大切です。
●その後、意向調査を実施し、その結果に基づいて次のステップに進む、つまり、説明会と意向確認の地道な繰り返しによる合意形成が重要であると推察しますが、施行者側が事業見直し全体の青写真(目標像)を描いておくことは言うまでもありません。
●地権者説明会の資料、議事録(要旨)、意向調査結果など、欠席の方にも配布し、また、組合たより・ニュースなどを通じ、事業見直しや区画整理の仕組みなどを掲載し、事業見直しに対する施行者の確固たる姿勢とその啓発を発信し続けることが大切です。

 町田氏には、平成20年2月29日(金)に開催した、「柔らかい区画整理講習会」において、反響が高かった、テーマ「施行地区縮小による事業見直し」(埼玉県 桶川市 下日出谷地区)について紹介いただきました。

会社施行による土地区画整理事業認可第1号のお知らせ

 平成20年1月15日、新潟県村上市において、会社施行による土地区画整理事業の第1号が認可されました。

《事業の概要》

●事業名:村上駅西土地区画整理事業     ●施行者:村上駅西開発株式会社
●事業の目的:本地区は、JR羽越本線村上駅および国道345号に隣接する交通至便な立地条件を有する。現在は工場跡地の未利用地となっているが、村上市都市計画マスタープランにおいて、公共交通の玄関口にふさわしい非工業系土地利用への転換を図る地区への位置づけが計画されている。
 そのため、駅西側市街地の活性化および市中心部への居住需要に対する受け皿づくりのため、商業地、沿道利用地及び住宅地を配置すると共に公共施設の整備改善を図り、良好な都市環境を創出することを事業の目的とする。
●施行面積:約4.7ha     ●総事業費:約2億円     ●平均減歩率:約42%
●事業施行期間:自 平成20年1月15日(設立認可公告の日)  至 平成22年3月31日

当機構では区画整理会社施行の図書を販売しております。
当機構のホームページの図書購入申込書にて、FAXでお申し込みください。

【区画整理会社施行マニュアル】

■編集・発行:(財)区画整理促進機構
■A4版図書 178頁
■定価:3,360円
http://www.sokusin.or.jp/book/b_index.html
FAX:03−3230−4514

問合せ先:当機構 総務部 03−3230−4914

人事異動

 国土交通省 都市・地域整備局 市街地整備課

新 所 属
氏  名
旧 所 属
3月31日 辞職(愛知県建設部建築担当局住宅計画課主幹) 成田 潤也 市街地整備課長補佐
4月1日 市街地整備課長補佐 村上 真祥 宝塚市都市産業活力部長
4月1日 大都市圏整備課長補佐
     (併)大深度地下利用企画室
丸茂  悠 市街地整備課総合整備係長
4月1日 市街地整備課再開発推進係長 石橋 隆史 市街地整備課
4月1日 道路局企画課構造基準第一係長 仲谷 俊昭 市街地整備課企画係長
4月1日 市街地整備課企画係長 林 良太郎 内閣府政策統括官(防災担当)付参事官
(地震・火山対策担当)付主査
4月1日 土地・水資源局土地政策課 竹内 友子 市街地整備課
4月1日 市街地整備課 橋口 真依 住宅局住宅総合整備課

 (財)区画整理促進機構

新 所 属
氏  名
旧 所 属
3月31日 辞職 矢實 和行 矢實 和行 支援業務部長
4月1日 支援業務部長 鈴木 雅雄 企画担当部長

 

問合せ先

 (財)区画整理促進機構
 TEL 03−3230−4513

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